共同親権研究会 設立趣意書



日本社会のなかの家族のあり方が、さまざまな当事者を苦しめてきました。その原因のひとつが「単独親権」という制度でしょう。
現在、グローバル化の影響や、当事者の訴訟の動きなどで、単独親権から共同親権に移行しようとしています。日本人にとって親権とは、家族とは何なのでしょうか。
研究会の設立をよびかける、発起人のふたりは結婚と離婚の経験をしています。しかし、離婚後に子どもの連れ去りなどの経験はありません。
ふたりとも、世界の潮流が共同親権であり、先進国のなかで単独親権を採用する日本は,いずれ共同親権に移行することは不可避、という問題意識をもっています。
共同親権については、研究者・当事者が積極的な発言を始めていますが、長く続いた日本の単独親権制度のなかでは、共同親権を推進する立場での言葉は、まだ力を持っているとは言えません。
単独親権と共同親権の両方の視点を、当事者とは、すこし離れた視点で、語ることが、いま求められていると、私たちは考えています。

■田中俊英 一般社団法人officeドーナツトーク代表
引きこもり当事者と親の支援をながく続けてきた。臨床哲学の視点で、親権について語っていきたい。親権システムの移行について、誰が真の「サバルタン」なのか。
https://twitter.com/tanakatosihide

■石井政之 ユニークフェイス研究所 代表
ユニークフェイス当事者という、目立つけれども不可視化されたマイノリティについて発言をしてきた。日本人は、強い同調圧力のなかでつながりを重視する一方で、孤立した当事者が増えている。同調圧力社会のなかの孤立について語りあいたい。